「焼き入れ炉での暑熱環境を何とかする必要がありました。
クールシリーズで5℃ダウンに成功しました。」
当社では世界中のモノづくりメーカーで使われている工作機械やレーザ・半導体装置、切削工具・精密位置検出器などを製作しており、当工場の今回暑熱対策の対象となった調質エリアでは、歯車を加工する刃物を製作しています。その製作工程でソルト焼き入れに必要となる予熱炉、加熱炉、焼石炉などの数多くの炉が使われ、大量の熱を発生させています。扇風機やスポットクーラーを設置していましたが、他の工程と壁で仕切りを設け熱がこもるようになったことも加わり、昨年は40℃に至る大変暑い環境になってしまいましたので、今年の夏に間に合うよう改善を検討することとなりました。
各種対策を比較検討した結果、水の気化を用いたクールシリーズの導入を決定しました。常時3~4人いて、夜勤もある工程であるため現在は24時間運転させています。7月頃には本格的に暑くなってきますので、その前に設置出来て良かったです。今夏は昨年と比べ室内が5℃ほど涼しくなり、今年9月は外気35℃程度の時でも28℃に抑えられたことから、ずっと現場にいる作業員は楽になったと喜んでいます。今後はダクトを分岐させて吹出口を増やしてより風に当たれる場所を増やそうかと考えています。
レイアウト図(平面図)
調質エリア
加熱炉は1200℃を超え、予熱炉も900℃近くと大変熱く、炉の前ではこれまで40℃になっていました。そこにクールルーフファンのダクトを伸ばし加熱炉、予熱炉の前に涼風を給気しました。また建屋の奥の曲げ直し工程前では加熱炉前ほどではないが熱溜まりとなっていましたが、ここにクールクリーンファンのダクトを伸ばして涼風給気しました。
左:クールルーフファン 右:クールクリーンファン
5.5kWモータ搭載の特殊仕様 約30m先の吹出口までパワフル送風。
https://kamakura-ss.co.jp/pdf/Mitsubishisama-kouteihyou.pdf
https://www.mhi-machinetool.com/