「熱と溶接ヒュームで困っていた現場環境が劇的に改善されました。
長年の問題も解決し、夏場の暑さ対策にも効果が出ると期待しています。」
当工場では主に建設用機械であるショベルアームのバケット部分の製造を行っています。元々リスクアセスメントの一環として数年前からアンケートを実施し、毎年社員の方々から1人1件以上意見を出していただき、優先事項の高いものから取り組んできました。その中で暑さとヒュームの課題が大きくなってきたため、換気扇の見直しを決めました。そこでカマクラさんに声をかけさせていただきました。
これまでの工場の換気設備は建屋棟部から給気して壁から排気するものであったため、建屋上部の熱やヒュームを吹き下ろしてしまっていました。また壁からでは排気が十分に出来ず建屋上部に熱がこもっていました。そのため暑さ対策として、扉を開放し、スポットクーラーを1人1台あてがっていましたが、近年の温暖化の影響もあり、それだけでは暑さに対応出来ず、気化式冷風機なども検討しましたが、風の影響を受ける溶接現場では使用出来ずに困っていました。またヒュームに関しても工場内に長くいるとマスクがヒュームで茶色くなるほどで、熱同様に排出できず上部に溜まったものは舞うだけでした。
カマクラさんに相談し、建屋の棟部分の給気のルーフファン2台を排気に交換、さらに排気ルーフファン2台を増設して溜まっていた熱を排出しました。また、溶接に風が影響を与えないような高さに搬送ファンを設置して溶接ヒュームをルーフファンに導きました。今までは夕方になると照明の下がヒュームで白く曇っていましたが、予想以上に4台のルーフファンが排気している結果、現在は設置した瞬間から作業者の方が見て変わったとわかるぐらい明らかに変わりました。溶接作業員の個人暴露は大きく変わるものではないですが、工場内に長くいてもマスクも汚れず白いままなので、工場全体の作業環境はかなり改善されたと実感しています。今の時代、働く環境に関してもしっかり取り組んでいかないと社員の定着率に影響が出てしまうので、今回の導入で改善されてよかったです。職場メンバーからも課題解決をしてくれてありがとうとお礼を言われました。これだけ風が通ると上に溜まっていた熱もしっかり抜けてくれているかなと今度の夏に期待しています。
【風速分布図】
建屋の八方に搬送ファンを設置、棟部分のルーフファンに熱やヒュームを誘導。
設置前
設置後
写真ではわかりにくいですが、照明下の溶接ヒューム濃度に差が出ています。
屋根の棟部分に設置されたルーフファン4台。
【配置図】
【溶接ヒューム 測定結果】
https://www.jonishi.co.jp/