「せっかく更新するなら省エネ形に!20%の使用電力削減を計画しています。」
当社ではオフィスを中心としたワークスペース向けのデスクやチェア、キャビネット等の製造を行っています。当チェア工場の最上階では、溶接ヒュームや塗装の乾燥炉による熱の発生があり、ルーフファンによる換気が欠かせないのですが、長年使用してきた一部のルーフファンが止まってしまい溶接ヒュームがこもるようになってしまいました。そのため、このタイミングで10台のルーフファンの更新に着手することにしました。
設備更新の際には、コストメリットだけでなく、従業員のための職場環境の改善や、地球環境に良いものを積極的に採用するようにしています。ルーフファンについても、省エネ形のものであれば従来モデルと比べ20%ほど消費電力を抑えることができるとのことで採用を決めました。まず2021年7月に2台、続けて2022年6月に4台を更新しました。残り4台については2023年に更新を検討しています。
イトーキグループでは『人も活き活き、地球も生き生き』というビジョンステートメントを掲げ、SDGsの取り組みに力を入れています。CO2排出量については、2030年までに2013年比30%削減を中期目標に掲げています。ルーフファンについては、実際の稼働時間は変動しますのであくまでシミュレーションの値になりますが、ルーフファン更新前の2020年度と、更新完了後の2024年度を比較し、10台分の年間使用電力の削減量は8,640kWh、削減率は21.2%に達する見込みです。省エネ形ルーフファンへの更新は着実に使用電力量の削減に貢献しています。
上記のグラフはルーフファン10台分のシミュレーションです。インタビュー後の経過としては、省エネ形に交換済みの6台分の使用電力は、7月は1,698kWh、8月は1,574kWh、9月は1,701kWh、10月は1,737kWhという実績でした。
屋上にルーフファンを10台設置し最上階の換気を行っています。屋根には遮熱塗装を施し、太陽光発電も設置しています。ルーフファンは更新前と同じサイズで、既設の架台をそのまま使用して載せ替えができました。
金属パーツの溶接工程では、溶接ヒュームは局所排気を行いつつ、ルーフファンの全体換気で補助しています。
金属パーツの塗装工程には乾燥炉があり熱負荷が大きいため、100℃まで使用可能な耐熱形ルーフファンを設置しています。