「大型ルーフファンを新設し、暑熱対策、空気環境の改善効果を実感しています。」
当事業所では自動車や鉄道向けの粉末冶金製品、油圧機器の製造を行っています。金属粉末を混合して、金型を用い成形し、高温で焼結の後、仕上げ加工を実施、最後に検査・出荷となります。滋賀工場には、工場建屋が5棟あり、中でも最も暑さが厳しかった第4棟について、今回の暑さ対策を実施しました。特に焼結炉と加工機周辺は温度が高く、またオイルミストが漂う状態でした。他の棟にはルーフファンがあったのですが、第4棟は一番北側ということからか、ルーフファンではなく、屋根上の排煙ハッチ(GF-2600M)に付属している換気扇が16台、壁付換気扇が複数台と、換気扇は多数設置されていましたが、いずれも小型のものでした。
以前は、室内温度が外気よりも5~6℃高く、換気回数は2~5回/h程度でした。提案は9台でしたが、今回は予算の範囲内で、ファン径1050mmの大型ルーフファン6台を採用し、換気回数を11回/h程度まで引き上げました。昨年12月に設置してから初めての夏で、暑さのピークを迎えるのはこれからですが、今のところ、風が若干動いていていくぶん涼しくなった感じがします。焼結炉付近の臭いも軽減し、天井付近に滞留していた靄もかなり少なくなりました。当社はESG経営の一環として、2050年カーボンニュートラル、2030年CO2半減を目指して省エネ活動を強力に推進しております。ルーフファンは大きな電力は使用せず、それでいながらしっかり改善につながり効果的であったと実感しています。
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【屋根上に新設したルーフファン】
1050mmのファンを搭載した大型モデルで強力に排気。ボディは軽量なFRP製で、風圧式シャッター付を採用しました。
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【排煙ハッチ】
工場建設時より使用している排煙ハッチ。400mmの換気扇付です。
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【室内側の天井】
ルーフファンの排気口と、排煙ハッチ
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【その他の暑熱対策】
スポットクーラーを各ラインに配管しています。また、クーラーと冷たい飲み物を備えた休憩室を2つ設けて、各自が適宜、暑さから体を休められるようにしています。
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【焼結工程】
焼結炉から発生する熱と油分は、大部分は直上ダクトからの局所排気で排出できていますが、一部漏れる分が工場全体に広がっていました。ルーフファン設置後、全体換気でうまく排出されるようになりました。
【平面図】
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【立面図】
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