「熱排出と砂塵対策に成功!約6℃の温度低下とクリアな視界が手に入りました!」
当工場では小さい物から大きい物、複雑形状から薄肉形状などの難易度の高い砂型鋳造品を製造しています。鋳物の製造工程では金属が1,000℃以上の高温となり、夏季の工場内は大変な暑さになっていました。また鋳物の余熱の他に砂型から発生する砂塵の対策も必要となっていました。
これまでも工場内の暑さ対策は検討しており、工場内の天井が高く、面積が大きいことや、定点作業ではなく移動作業が多いこと、砂塵が舞っているためフィルターが詰まりやすいことなどの課題が多くあげられていました。様々な対策を検討した結果、最終的に遮熱塗料と大型の屋上換気扇ルーフファンの導入に至りました。
屋根に遮熱塗料を塗ることで太陽の輻射熱の影響を軽減し、工場の屋根にはルーフファンを5台新設し、排気量を増加させるとともに、建屋上部の熱だまりと砂塵を排気しました。換気回数は3回/h未満だったところ、大型ルーフファンにより12回/hにアップしました。排気されて出ていった分、シャッターなどの開口部から新鮮な外気が引き込まれ、工場全体に風の流れを作り出しています。その結果、工場内の温度が約6℃も下がり、従業員からも働きやすくなったと好評です。
今回の設備導入には補助金を活用しました。職場環境の支援制度として高崎市の職場環境改善事業補助金が創設され、ぜひ使いたいと思っていました。
昔は親方から暑くても我慢しろと言われる時代でしたが、近年の暑さは昔とは大違いでかなりの暑さです。換気以外の補助的な暑さ対策としては、梅干しや冷水、補水飲料、ファン付の空調服などを活用して何とか熱中症を防いでいます。従業員が働きやすい職場作りを目指し、これからも作業環境整備を大切にしていきます。
2つの大きな開口部から室内へ、涼しい外気が流れ込んでいます。ルーフファンの能力から換算して、入口では風速2m/sほどの勢いで、建物全体の換気がしっかりできていることを実感します。また、以前は砂塵で視界が煙っていたのが、今ではクリアになり、良い結果が得られました。
溶けた金属は1000℃以上の高温となります。