「地下水利用で省エネ化に成功!この夏、30℃を超える日はありませんでした。」
弊社は、食品業界のトップブランド名で販売されているカレーやシチューなどのレトルトパウチ食品を製造しています。今回、対策を施したのは食材を包装するエリアです。元々はゾーニングされた場所で空調を効かせて作業をしていましたが、作業場を拡張する必要がでたことに伴い、パーテーションを外したことで、空間が大きくなり、既存の空調設備では能力不足になってしまいました。場内は冷やしたいが電力増加は避けたい、SDGsに積極的に取り組んでいる弊社としては、低消費電力でCO2排出量も減らせる方法が無いか探していました。
包装エリア自体には大きな熱源はありませんが、食品の安全にとって大切な「殺菌機」という、出来上がった食品を高温で殺菌する工程が横にあり、その殺菌機からの放熱が暑さの原因の一つでした。加えて、食品工場は衛生服を着用しなければならないので、熱中症リスクの高い現場となります。
弊社は低温の地下水を有効利用できる方法を探しており、地下水を利用した製品で良い設備はないかと、カマクラさんに相談したところ、クールクリーンファンという気化放熱式の給気ファンの筐体で、地下水を利用した熱交換式の冷却装置の1号機として導入することになりました。営業や技術の方とも打合せを重ねて、無事に2023年6月から運転を開始し、おかげさまで作業員からも好評でした。例年、夏場は30℃を超えていた現場は、今年は高くても28℃程度で、30℃を超える日は1日もなく、体調不良者もゼロ。作業者は、長袖長ズボンなので、やんわりした空調の風よりずっと大風量であることを特に気に入っているようです。今年は試験的に運転を行いましたが、来年以降は殺菌機の冷却のために地下水の2次利用を検討し、より一層資源を大切にした地球に優しい工場作りを意識していきたいと思います。